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 「たぶん哲学者のような知事になるんじゃないか」

 東京都知事選の投票日10日の午後、石原慎太郎都知事の長男で自民党の石原伸晃幹事長に電話でこんな質問をした。

「4選を果たしたらどんな知事になるか」

 その答えが文頭の「哲学者」である。たしかに石原知事は選挙期間中を通じて「もうそろそろぜいたくを諦めよう」と、大量の電力を消費するパチンコや自動販売機を例に挙げてライフスタイルの大転換を強く訴え続けた。そして「日本人同士でもう一度スクラムを組もう」と呼び掛けた。

 東日本大震災直後の被災地と近接する都民の心に広がる漠然とした不安が「石原哲学」を受け入れたのではないか。石原氏独特のぶっきらぼうだが力強い物言いも震災対策で指導力を問われる菅直人首相との対比を浮かび上がらせることに奏功した。

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筆者

後藤謙次

後藤謙次(ごとう・けんじ) 後藤謙次(フリーの政治コラムニスト、共同通信客員論説委員)

フリーの政治コラムニスト、共同通信客員論説委員。1973年4月、早稲田大学法学部卒業、共同通信社入社。函館支局、札幌支社などを経て、82年から本社政治部。政治部長、編集局長を歴任。07年10月、共同通信社を退社後、TBS系の「NEWS23」キャスター、「総力報道! THE NEWS」アンカーなどを務める。著書に『小沢一郎 50の謎を解く』(文春新書)、『竹下政権576日』など。現在、週刊「ダイヤモンド」に連載中。

※プロフィールは原則として、論座に最後に執筆した当時のものです

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