土井香苗
2011年04月15日
前回述べたように、諸外国政府の沈黙に自信をつけた中国政府は、とうとう、世界的に著名な芸術家である艾未未(Ai Weiwei、アイ・ウェイウェイ)氏の逮捕に踏み切った。中国政府による艾未未氏の拘束は、慎重に計画されていたとみられ、逮捕当日、北京公安は、北京の郊外にある彼のアートスタジオを捜索してコンピュータ、ハードドライブなどを押収。さらに彼のスタッフ8人、妻の路青氏、艾氏の有人で弁護士の劉暁原氏も尋問のために連行された(但し、全員その日中に釈放)。国営メディアは、この事件を報道しないよう指示されており、インターネットや、ツイッターの中国版” Weibo”( 微博)などの人気のマイクロブログでも、艾未未氏の逮捕への言及はすべて検閲されている。
しかし、中国の最も著名な芸術家の一人で、ロンドンのテート・モダン(Tate Modern)美術館で展覧会を開催中に逮捕された艾氏に対しては、さすがに欧米政府が声をあげはじめている。例えば、ドイツのギド・ヴェスターヴェレ外相は、艾氏の状況に関する「緊急の説明」を中国政府に求めた。英国のウィリアム・ヘイグ外相は「早急に艾氏の状況と、健康と安全を明らかに」するよう政府に求めた。欧州連合の北京代表部や、オーストラリア政府も懸念を表明している。米国務省のマーク・トナー報道官も、4月4日、政府が「深く懸念している」と述べた。
さて、日本政府はどうしているのか。
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