春名幹男
2011年05月07日
しかし、これで米国とイスラム世界の新しい時代が到来する、とは予測できない。むしろ「疑念」の溝は広がりそうな気配だ。
問題は殺害と葬祭の方法にある。
米海軍特殊部隊SEALSは2機のヘリコプターで、パキスタンの主権を無視して、パキスタンの首都イスラマバード北郊アボッタバードにあるビンラディンの隠れ家を急襲、武器を持っていなかったが、殺害した。「生け捕り」にすれば、奪還闘争を誘発する恐れがあるため、殺害した可能性がある。
ビンラディンは米連邦捜査局(FBI)の指名手配を受けていたが、裁判で弁明の機会も与えられなかった。だが、ビンラディンは元々、自分から先に米国に対して「宣戦布告」した。恐らくイスラム社会では、殺害の状況はともかく、テロに対する米国の報復、と殺害自体を大問題にすることはないかもしれない。
むしろ問題は弔い方である。
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