薬師寺克行
2011年05月12日
「イラ菅」と言われるほど気が短いこととともに、薬害エイズの情報を隠された厚相時代の経験もあって官僚嫌いで知られる菅首相だが、東日本大震災の被災者支援や被災地の復興、さらには今も放射能漏れを続ける原発事故の深刻さを前に、さすがに自分1人では対応しきれないということを認識したのか、あるいは、官僚機構が動かなければ物事は進まないということを実感したのだろう。
震災直後からしばらく、とにかく菅首相の評判は悪かった。批判のポイントを列挙すると以下のようになる。
いかにも場当たり的な印象を与えるがマイナスはそればかりではない。組織いじりや人事は既存の組織や担当者の否定であり、当事者にすれば「おまえはだめだ」と言われているに等しい。当然、首相官邸や各省の幹部官僚の間にはしらけた空気が漂った。そればかりか新たな組織発足や人事のたびに官僚機構はゼロから作業をスタートしなければならす、余計な時間と労力を要した。
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