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サムスンに李明博政権が牙を剥いた理由(上)

小北清人

小北清人 朝日新聞湘南支局長

 サムスンといえば、韓国を代表する財閥企業として日本でもよく知られている。「三星」と漢字で書かれた頃はさほどでもなかったが、カタカナ表記されるようになったあたりからグローバル企業グループとなっていった。とりわけ半導体、携帯電話、スマートフォンなどを手がけるサムスン電子は有名だ。

 グループ企業約70社、総売り上げ約220兆ウォン(2009年)。これは韓国のGDPのなんと約5分の1を占める。輸出額は国の輸出総額の約4分の1に達している。

ソウルの一等地・江南地区にそびえるサムスン本社のビル群(中央の3棟とも)。一帯は「サムスン・タウン」と呼ばれる
「韓国を養う企業」。サムスンがそう呼ばれるゆえんだ。

 そのサムスンに異変が起きたのは4月はじめのこと。グループ企業の「サムソン重工業」「ホテル新羅」2社に国税庁の調査が入ったのだ。すでに2月から「サムスン物産」にも調査が入っていた。

「4~5年に一度大企業に行われる定期調査にすぎない」。国税当局もサムスン側もそうコメントしたが、額面通り受け止める向きはまずなかった。

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