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これからの日本のキーワードは「再生力」

鈴木崇弘

鈴木崇弘 城西国際大学客員教授(政治学)

 東日本大震災では、「想定外」という言葉が、注目を浴びた。今回の震災では、想定していた以上の津波や福島原発の問題が起き、甚大な被害が生じたというわけである。そこで今回の震災に対して、より甚大な被害の予想に基づく防波堤づくりや原発づくりの話もでている。だが、今回の震災でもわかったように、人間の想定を超えること(注1)は起こりうるのである。

 また、日本の場合、何らかの想定をし、問題に対応してしまうと、それ以上あるいはそれ以外の問題は「起こらない」ということが想定されてしまうことが多いようである。それらの問題を考慮すること自体が、その想定が否定され、間違っていることになるという、別のロジックが働くようだ。ある意味の「無謬性」の原則によるものだろうか。

 このことの典型事例が、原発事故対応のロボット開発だ。30億円かけて、原発の事故対応のロボットの開発が以前になされていたが、そのようなロボットが活躍する事態は起きえないということ(想定)で、そのロボット開発はそのままになってしまい、今回の震災でも活かされず、結局今回の震災ではロボットを海外から持ってきて、原発に対応するはめになった。

 これらのことからもわかるように、「想定」には限界があり、絶えず「想定外」が起こりうるのである。そこでは、「想定外」が起きても対応できるようにする考え方や方策が考えられないといけないということである。

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