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「信任の危機」のいま、「内閣信任決議案」を出してはどうか

小沢秀行

小沢秀行

 OECD(経済協力開発機構)設立50周年記念行事、G8サミット、日EU定期首脳協議と、ヨーロッパを舞台にした一連の外交日程を終え、菅直人首相がきのう帰国しました。きょうからはまた、「菅おろし」の吹きすさぶ内政のるつぼに投げ込まれることになります。

 ひとたび国外に出れば、GNP世界第3位の経済大国の首脳として、それなりの敬意を持って遇される菅首相も、国内では「鈍菅」「空き菅」「スッカラ菅」と罵倒の限りを浴びせられています。今月22日の国会会期末に向け、政局の最大の焦点は、自民党が提出のタイミングを図っている内閣不信任案の行方にあります。

 朝日新聞の直近の世論調査(5月14、15日)で、菅内閣の支持率は4月の21%から26%にわずかに上がりました。不支持率は60%から51%に下がりました。中部電力浜岡原発の運転停止が幾分か好感されたのかもしれませんが、なお2人に1人が支持していないという事実は、深刻です。菅首相に「早くやめてほしい」という人が41%もいるわけですから、世論の「嫌菅」感情は、ほとんど回復不能かもしれません。

1993年6月18日、衆議院本会議で、宮沢喜一内閣不信任決議案が可決され、その直後に衆院は解散された。中央は羽田孜氏、後ろは渡部恒三氏。羽田氏の右後方は宮沢喜一首相
 そこで、注目されるのが、55年体制に終止符を打った1993年の宮沢喜一内閣不信任決議案可決のような「どんでん返し」が再現されるか否かです。

 当時は、小沢一郎、羽田孜両氏らのグループを中心に、自民党内から賛成39人、欠席16人の計55人の造反が出て、不信任案が成立しました。小沢、羽田両氏らは自民党を離党し、新生党という新党を結成して、総選挙に臨みました。

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