林志行
2011年06月02日
気になったのは、菅総理の表情。やけに笑顔で接していたが、これも側近のアドバイスなのだろう。暗い日本より、明るい未来をイメージさせるためか。それはそれで良いが、未来志向のメッセージは出せたのか。いつもの癖(?)で、腰に手を当てるシーンが多く見られ、ストライドの大きい各国首脳に遅れまいと、足早になる姿が印象的であった。
地震大国の安全基準を強化し、先進国での原子力発電は引き続き、それぞれの判断で続けようという話に落ち着いた。
EUは、フランスとドイツが二つのエンジンとしてけん引するが、原発政策の立ち位置は異なる。日本での原発事故をきっかけに、ドイツは脱原発に舵を切り、EU加盟国ではないものの、スイスも稼働中の5基の原発について、稼働開始から50年をめどに順次廃炉にするとしている。フランスは、原発大国であり、いまさらやめるわけにはいかない。
そうしたなか、国内問題(原発の制御、安定化)を解決できていない日本が、世界に向け、どう原発やエネルギー政策に独自のメッセージを出すのか。出せるのか。それが、命題だったはずだ。
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