谷田邦一(たにだ・くにいち) ジャーナリスト、シンクタンク研究員
1959年生まれ。90年、朝日新聞社入社。社会部、那覇支局、論説委員、編集委員、長崎総局長などを経て、2021年5月に退社。現在は未来工学研究所(東京)のシニア研究員(非常勤)。主要国の防衛政策から基地問題、軍用技術まで幅広く外交・防衛問題全般に関心がある。防衛大学校と防衛研究所で習得した専門知識を生かし、安全保障問題の新しいアプローチ方法を模索中。
※プロフィールは原則として、論座に最後に執筆した当時のものです
谷田邦一
その理由は、アジア全体をにらむ地理的な特性と、長年にわたって築かれた基地機能の高さにある。
空中給油で軍用機が地球を一周できる時代になったとはいえ、出撃拠点や補給地がもつ意味合いは今も大きい。燃料は補給できても、航空作戦で必須のミサイルや爆弾など弾薬類は、地上でしか補給できず、米本土から軍事物資を運んでくれば、それを降ろして保管する場所も必要になるからだ。ピナツボ火山の噴火で1991年にフィリピンのクラーク空軍基地を失って以来、米軍にとって、3千メートル級の滑走路と巨大な弾薬庫をもつ嘉手納は、アジアから中東までの広大な地域をカバーする「死活的に重要な基地」として位置づけられている。
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