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対中抑止力の低下につながる嘉手納統合案

谷田邦一

谷田邦一 朝日新聞専門記者(防衛問題担当)

 沖縄本島の中央部に広がる嘉手納基地。第2次大戦後の70年近く、アジア最大の海外基地として、米国の軍事戦略を支えてきた。朝鮮戦争以来、ベトナム、湾岸、イラクと米国の主要な戦争は、この出撃基地の存在なくしては成り立たなかったといっても過言ではないだろう。今も、軍備増強が著しい中国、瀬戸際政策を重ねる北朝鮮など、アジア地域の不安定要因を封じ込めるための最重要拠点であることに変わりはない。

 その理由は、アジア全体をにらむ地理的な特性と、長年にわたって築かれた基地機能の高さにある。

 空中給油で軍用機が地球を一周できる時代になったとはいえ、出撃拠点や補給地がもつ意味合いは今も大きい。燃料は補給できても、航空作戦で必須のミサイルや爆弾など弾薬類は、地上でしか補給できず、米本土から軍事物資を運んでくれば、それを降ろして保管する場所も必要になるからだ。ピナツボ火山の噴火で1991年にフィリピンのクラーク空軍基地を失って以来、米軍にとって、3千メートル級の滑走路と巨大な弾薬庫をもつ嘉手納は、アジアから中東までの広大な地域をカバーする「死活的に重要な基地」として位置づけられている。 ・・・ログインして読む
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筆者

谷田邦一

谷田邦一(たにだ・くにいち) 朝日新聞専門記者(防衛問題担当)

1959年生まれ。1990年、朝日新聞社入社。社会部、那覇支局、論説委員、編集委員、長崎総局長などを経て2013年4月から社会部専門記者(防衛問題担当)。主要国の防衛政策から最新兵器、軍用技術まで軍事全般に関心がある。防衛大学校と防衛研究所で習得した専門知識が、現実の紛争地でどのくらい役立つのか検証取材するのが夢。

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