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米中の綱引きとパキスタンの強い交渉力

高橋和夫

高橋和夫 放送大学教養学部教授(国際政治)

 オサマ・ビンラーディンがパキスタンの首都イスラマバードの郊外のアボタバードで殺害されて以来、米国内では同国に対する援助の見直しを求める議論が起こっている。その背景にあるのは、パキスタン政府の少なくとも一部が、ビンラーディンの居場所を知っていたのではないかとの疑惑である。米国の敵をかくまうような政府への援助に疑問符がつけられるのは当然とも言える。

 それでは米国のパキスタンへの援助は、どのくらいの額に達しているのだろうか。2001年の米同時多発テロ以来、ワシントンがイスラマバードに与えた軍事・経済援助は、総額で200億ドルになる。年に20億ドルである。これ以上の援助を米国から受けている国は、イスラエルのみである。これほどの額を注ぎ込んだのに、米国はパキスタンに裏切られたと感じているわけである。援助の見直しの議論が起こるのは、当然とも言える。

 しかし、パキスタンへの援助は、もちろん打ち切れない。それは、少なくとも三つの理由からである。

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筆者

高橋和夫

高橋和夫(たかはし・かずお) 放送大学教養学部教授(国際政治)

北九州市出身、放送大学教養学部教授(中東研究、国際政治)。1974年、大阪外国語大学ペルシャ語科卒。1976年、米コロンビア大学大学院国際関係論修士課程修了。クウェート大学客員研究員などを経て現職。著書に『アラブとイスラエル』(講談社)、『現代の国際政治』(放送大学教育振興会)、『アメリカとパレスチナ問題』(角川書店)など多数。ツイッター https://twitter.com/kazuotakahashi ブログhttp://ameblo.jp/t-kazuo 

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