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【北欧エネルギー事情<4>】スウェーデンのエネルギー庁長官に聞く 「新設原発のコスト上昇に注目」

脇阪紀行

脇阪紀行 大阪大学未来共生プログラム特任教授(メディア論、EU、未来共生学)

 スウェーデンのエネルギー庁長官、トマス・コーベリエール氏インタビュー

拡大エネルギー庁のトマス・コーベリエール長官=筆者撮影
――福島第一原発の事故はどんな影響を与えたか?

 福島の原発事故の後、環境団体を中心に原発問題への関心が高まっている。ただ、今後の原発建設について私は、福島の影響よりも、フィンランドやフランスの原発建設コストの急上昇に注目している。フィンランドのオルキルオト原発3号機は2009年に稼働する予定だったが、2013年にずれ込み、建設コストも膨れている。フランスでもフラマンビル原発に同じ問題が起きている。二つの原発を建設する仏アレバ社は再設計を強いられている。今ある10基の原発の範囲内で原発を建設してもいい、というのが政府の基本方針だが、電力会社は原発新設に慎重になっている。

――スウェーデンのエネルギー政策の重点は?

 ここ2、3年は、再生可能エネルギー、とくに風力発電とバイオマスに力を入れる。電力証書によって投資が起きているし、風力発電の建設コストが下がっており、電力会社は2020年までに政府支援なしでもやっていける、と考え始めている。

 また、中国の風力発電企業が欧州市場にも参入し始め、競争の激化による価格低下も見込める。

――この国の再生可能エネルギー産業に競争力はあるか?

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筆者

脇阪紀行

脇阪紀行(わきさか・のりゆき) 大阪大学未来共生プログラム特任教授(メディア論、EU、未来共生学)

1954年生まれ。79年に朝日新聞社に入社、松山支局などを経て大阪本社経済部に。90年からバンコクのアジア総局に駐在。米国ワシントンでの研修を経て97年からアジア担当論説委員。2001年からブリュッセル支局長。06年から論説委員(東南アジア、欧州など担当)。2013年8月末に退社、9月から、大阪大学未来共生イノベーター博士課程プログラム特任教授。著書に『大欧州の時代――ブリュッセルからの報告」(岩波新書)、『欧州のエネルギーシフト』(岩波新書)。

※プロフィールは原則として、論座に最後に執筆した当時のものです

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