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北朝鮮の食糧難(1)――金正日政権の弱体化の表れ

石丸次郎

石丸次郎 石丸次郎(ジャーナリスト/アジアプレス)

 東日本大地震発生から間もなく4か月になる。この間、日本のマスメディアは、震災と東電原発事故を報じることに紙面と時間の大半を費やしてきた。未曾有の大災害なのだから当然であった。

 その分、北朝鮮情勢は報道されることが随分少なくなっていた。5月後半の金正日総書記の突然の訪中にはそれなりにスペースが割かれていたが、それでも、かつての「パパラッチ的」追っかけ記事は少なかった。

 報道量が減ったこの4か月間、北朝鮮はちょうど「ポリコゲ」の真只中にあった。ポリは麦、コゲは峠を意味する朝鮮語だ。収穫した食糧を食べ尽くして底をつく春窮期のことで、次の収穫までもっとも食糧事情が悪化するこの辛い季節を、朝鮮半島では封建時代から「ポリコゲ」と呼んできた。

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