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【復興構想会議から】 「提言」を終えて(下)――漁業問題は蟻の一穴か

高成田享

高成田享 仙台大学体育学部教授(スポーツメディア論)

 漁業問題も「さかな記者」を自称する私にとって、とくに重要なテーマだった。私は5月10日の私案で、地域ごとに、自治体、生産者、加工会社、販売会社などが出資する「地域振興公社」の設立を提案した。生産設備(漁船、農業機械、冷凍・冷蔵庫)の共有化、共同販売、地域ブランドの確立、物産館の開設などによって、農業や漁業の6次産業化をはかるのが狙いだった。

 「提言」では、農業について、「高付加価値化」「低コスト化」「農業経営の多角化」と戦略が示され、高付加価値化の柱には「6次産業化」がうたわれた。一方、漁業では、「漁協による子会社の設立や漁協・漁業者による共同事業化」など、「漁協」中心の復興が示され、「農協」の登場しない農業の復興戦略とは対照的な計画が示された。全体の印象は、私が提案した「水産業」の復興ではなく、「漁業」あるいは「漁協」の復興案にとどまった。

 単なる復旧ではなく、未来に向けた復興という意味で、私は、

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