小谷哲男
2011年07月15日
中国の軍事戦略上の最優先事項の一つは、海洋配備の核抑止力の確保である。中国は1980年代に092型(夏級)弾道ミサイル原子力潜水艦(SSBN)を導入し、渤海湾に配備したが、技術的な問題が多く、搭載ミサイルJL(巨浪)―1の射的距離も1700キロ程度に過ぎないため、哨戒活動に出ることはなかった。
現在、中国は092型を改良した094型(晋級)SSBNを5隻程度導入する計画であり、南シナ海に浮かぶ海南島に潜水艦用の海底基地を建設している。同時に、JL―1を改良したJL―2ミサイルも開発中であり、その推定射程距離は8000キロと推測されている。
SSBNは長期間にわたって潜航し、敵に見つかることなく核攻撃能力を提供できるため究極の兵器と呼ばれる。中国がこのSSBNの運用に成功すれば、
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