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【北欧エネルギー事情<5>】エネルギー・デモクラシーの実践

脇阪紀行

脇阪紀行 大阪大学未来共生プログラム特任教授(メディア論、EU、未来共生学)

●スウェーデン環境NGOのセミナーでの論議から

 スウェーデン・ストックホルム市中心部の繁華街にある市文化センター。5月初め、スウェーデン自然保護協会が開いた原発セミナーをのぞくと、50人近い市民たちの姿があった。

 自然保護協会は、100年の歴史を持つこの国最大の環境NGOだ。会員は約18万人に達し、約900万人のこの国の人口の2%が入会していることになる。年間予算は寄付を中心に19億円を超えているという。かつては国立公園の保護が中心だったが、今では地球温暖化やエネルギー問題、動物保護などさまざまな問題を取り扱い、政策提言を行っている。

 この日のセミナーのタイトルは、「チェルノブイリ=フォーシュマルク=フクシマ」。

 この三つはいずれも原発の名前だ。1986年、旧ソ連で起きたチェルノブイリ原発でまき散らされた放射性物質を世界で最初に探知したのが、スウェーデンだった。2か月前に起きた福島第一原発の事故をきっかけに、再び原発のことを考えなおしてみようというのが狙いだ。

 大学の教授や研究者らが30分ごとの持ち時間を使って、次々に意見を発表し、会場を交えた討論が行われる。

 まず、取り上げられたのが、

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筆者

脇阪紀行

脇阪紀行(わきさか・のりゆき) 大阪大学未来共生プログラム特任教授(メディア論、EU、未来共生学)

1954年生まれ。79年に朝日新聞社に入社、松山支局などを経て大阪本社経済部に。90年からバンコクのアジア総局に駐在。米国ワシントンでの研修を経て97年からアジア担当論説委員。2001年からブリュッセル支局長。06年から論説委員(東南アジア、欧州など担当)。2013年8月末に退社、9月から、大阪大学未来共生イノベーター博士課程プログラム特任教授。著書に『大欧州の時代――ブリュッセルからの報告」(岩波新書)、『欧州のエネルギーシフト』(岩波新書)。

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