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【北欧エネルギー事情<6>】 スウェーデンNGO会長 「原発の閉鎖はフクシマによって正当化される」

脇阪紀行

脇阪紀行 大阪大学未来共生プログラム特任教授(メディア論、EU、未来共生学)

 前回紹介したスウェーデン自然保護協会のセミナー「チェルノブイリ=フォーシュマルク=フクシマ」でのミカエル・カールソン会長の冒頭挨拶(2011年5月4日、ストックホルム)、さらに会長とスバンテ・アクセルソン事務局長へのインタビューを紹介しよう。指導的な環境NGOの本音をうかがうことができる。

自然保護協会のミカエル・カールソン会長 「原発の代償は、挙げればきりがない」

 スウェーデン国内において原発の問題は、福島での原発事故後、ドイツなどと比べてさほど議論になっていない。スウェーデンの原発政策は、国家政策のあり方が原因だと思われる。現在の政権は、エネルギー、環境、技術、経済などの政策には消極的だ。

拡大スウェーデン自然保護協会のミカエル・カールソン会長=筆者撮影
 1980年代から原発の問題が始まり、その後、エネルギーの問題、環境問題へと発展した。(2006年に)連立与党政権がスタートした際、この問題をどう処理していくかに直面した。

 特に原発の問題に関しては、連立与党政権内に意見の食い違いがあった。一方では、原発を推進、もう一方では原発廃止へという考えをもちながらも、結果的は政権内での妥協策を講じ、強固な結束のもとで現在の政権が成り立っている。

 一方、社会民主党は党首の選出問題などで政党内の対立が続いた。社民党の大多数は原発反対だが、労働組合の一部は賛成している。今でこそ連立は解散したが、以前は原発反対派の緑・環境党、左翼党と連立野党を形成していた。

 スウェーデンでは、エネルギーの供給も十分あり、電気は海外に輸出できるほど足りている。エネルギー庁も今後はエネルギーの余剰が予想されると言っている。

 今後、新しく原発を建設したとして、

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筆者

脇阪紀行

脇阪紀行(わきさか・のりゆき) 大阪大学未来共生プログラム特任教授(メディア論、EU、未来共生学)

1954年生まれ。79年に朝日新聞社に入社、松山支局などを経て大阪本社経済部に。90年からバンコクのアジア総局に駐在。米国ワシントンでの研修を経て97年からアジア担当論説委員。2001年からブリュッセル支局長。06年から論説委員(東南アジア、欧州など担当)。2013年8月末に退社、9月から、大阪大学未来共生イノベーター博士課程プログラム特任教授。著書に『大欧州の時代――ブリュッセルからの報告」(岩波新書)、『欧州のエネルギーシフト』(岩波新書)。

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