聞き手=WEBRONZA編集部
2011年07月22日
原 そうです。「フル規格」の新幹線を通すのがすぐには難しいと地元が判断した山形や秋田では、在来線の線路幅を新幹線と同じ国際標準軌(1435ミリ)に改め、新幹線が在来線に乗り入れられるようにするミニ新幹線の招致活動を進めました。フル規格よりも工期や工費が圧縮されたこともあって、整備新幹線よりも早く、1992年に山形、97年に秋田への新幹線延伸が実現しました。両県は「そうまでして新幹線を早く欲しがった」と言えるかもしれません。
こうした中で、1997年に現在も使われているリニア実験線が山梨に完成しました(18.4キロ)。今回のリニア計画にそのまま流用することを想定した先行区間です。山梨以前に遡れば、1973年に新幹線の基本計画に「中央新幹線」の名前が挙がった直後の74年に着工し、77年に開設された宮崎の実験線(7キロ)がありました。こちらは廃線となっていますが、私は日経新聞の記者時代、JR担当の取材で1987年暮れに大臣視察に同行して乗車したことがあります。当時の運輸大臣は石原慎太郎氏。竹下登内閣の頃でした。
――実際に乗ってみて、どういう雰囲気でしたか。山梨の最新型の車両ではだいぶ改善されているのかもしれませんが、当時の車両の乗り心地、例えば騒音や振動はどうだったでしょうか。
原 何と言うか、
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