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イランを脅かすサウジの石油戦略

高橋和夫

高橋和夫 放送大学教養学部教授(国際政治)

 サウジアラビアによる石油の大幅増産の可能性についての、同国のトルキィ王子の6月の発言が話題を集めている。同王子は、情報長官や駐米大使を歴任した人物である。

 『ウォール・ストリート・ジャーナル』紙によれば、同王子はロンドンの非公開の場で発言した。その要旨は、サウジアラビアに日量400万バレルの石油の生産余力がある。そのサウジアラビアが限度一杯まで石油を生産すれば、市場は石油であふれ、油価の急落が起こるだろう。そして、それは国際的な経済制裁にもかかわらず核開発を続けるイランに対する大きな打撃となる。石油収入に依存するイランは、この面からの圧力に弱いというのが同王子の分析である。

 ちなみに、イランの石油生産量は日量で400万バレルを切っており、石油輸出量は、200万バレルを下回っている。サウジアラビアの生産余力が、イランの総生産量を上回っている。同国の余力が、いかに巨大であるかが想像できる。サウジアラビアは、イランに対する石油戦略という伝家の宝刀を抜くのだろうか。

 その可能性を予測するためには、

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筆者

高橋和夫

高橋和夫(たかはし・かずお) 放送大学教養学部教授(国際政治)

北九州市出身、放送大学教養学部教授(中東研究、国際政治)。1974年、大阪外国語大学ペルシャ語科卒。1976年、米コロンビア大学大学院国際関係論修士課程修了。クウェート大学客員研究員などを経て現職。著書に『アラブとイスラエル』(講談社)、『現代の国際政治』(放送大学教育振興会)、『アメリカとパレスチナ問題』(角川書店)など多数。ツイッター https://twitter.com/kazuotakahashi ブログhttp://ameblo.jp/t-kazuo 

※プロフィールは原則として、論座に最後に執筆した当時のものです

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