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朝鮮語ペラペラの拉致対策本部職員を連れて遊びには行かないでしょ

小北清人

小北清人 朝日新聞湘南支局長

 菅総理は「承知していない」と否定、枝野官房長官は「まったくの事実無根」とこれまた否定、中野拉致問題担当相は「中井氏本人に電話で聞いたら、『ない』と報告を受けた」。

中井元拉致問題担当相
 これらのコメントは、民主党の中井洽(さんずいに合・ひろし)元拉致問題担当相が7月21、22日に中国の長春で北朝鮮の宋日昊(日の下に天)(ソン・イルホ)・朝日国交正常化担当大使と極秘交渉した、との一部報道に対する反応だ。文字通り、「否定一色」である。

 筆者は7月11日のWEBRONZAに「真夏の怪談――菅直人は「日朝首脳会談」の返事を待っている?」と題し、菅総理のラインが政権延命のため北朝鮮当局に対し日朝首脳会談を持ち掛けているとの話が流れていると紹介したことがある。中井氏の一件は、日朝交渉が水面下で続けられていたのを裏書きするものだ。否定は当然。バレたら否定するのが前提だからこそ極秘交渉なのである。とりわけこの件は閣僚の大半は知らず、菅総理と閣外の中井氏(現民主党拉致対策本部長)、中野拉致問題担当相だけが知っていた可能性がある。

 その中野氏は、政府拉致問題対策本部の職員が中井氏に同行していたと報じられたことに、「職員を海外に出張させたことはない」と否定した。

 が、筆者が聞く話は違う。

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