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北朝鮮の食糧難(4)――市場で徴発される軍糧米

石丸次郎

石丸次郎 石丸次郎(ジャーナリスト/アジアプレス)

 2010年版韓国国防白書によると、北朝鮮の朝鮮人民軍の兵力は推定119万人。人口の約5%にあたる。

 金正日政権は、軍優先の「先軍政治」を国是のごとく掲げているが、今、体制維持の要とも言えるこの大組織を、まともに食わせられなくなっている。

 北朝鮮における従来の軍用食糧は、

(1)協同農場の収穫

(2)軍保有の田畑での生産分

(3)輸入

 でまかなってきた。

 だがそれでは全く足りず、軍内部で栄養失調が蔓延する事態が、90年代初めから続いていた。

 「自力更生」のスローガンのもと、軍隊でも「副業地」と呼ばれる田畑を耕しているとはいえ、生産活動よりも消費ばかりするこの一大「非生産組織」を、今の北朝鮮の経済では維持できなくなっているわけだ。

 今年は、さらなる経済悪化を反映して、軍隊向けの食糧確保が全く不十分で、

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筆者

石丸次郎

石丸次郎(いしまる・じろう) 石丸次郎(ジャーナリスト/アジアプレス)

1962年、大阪出身。1993年に朝中国境1400キロを踏破。北朝鮮取材は国内に3回、朝中国境地帯にはおよそ75回。これまで750人を超える北朝鮮の人々を取材。2002年より北朝鮮内部にジャーナリストを育成する活動を開始し、北朝鮮内部の情報誌「リムジンガン」を創刊、現在5号を発行。主著に『北朝鮮難民』(講談社現代新書)など。TV報告に『北朝鮮に帰ったジュナ』(2010、NHKハイビジョン特集)など。

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