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大事故でも体制は揺るがない

藤原秀人

藤原秀人 フリージャーナリスト

 中国の高速鉄道は危ない、という不安が現実になった。

 沿海部の浙江省温州で多数の死傷者を出した7月23日の高速鉄道事故について、本紙社説の書き出しはこうだった。つまり、事故は想定の範囲内だったということだ。

 中国で暮らした経験がある人なら、容易に理解してもらえるのだが、中国の交通機関はすべて危ない。

 まずは鉄道。

拡大1988年3月、上海市郊外で修学旅行の私立高知学芸高校生ら193人乗りの急行列車が衝突。日本人27人が死亡した
 1988年3月、修学旅行中の高知学芸高校の生徒と教員が上海郊外で鉄道事故に遭い、27人が死亡した。日本人が被害にあったので日本では大きく報道された。逆に、日本人が巻き込まれなければ、事故は日本のメディアには伝わらない。

 中国で暮らす人は毎日のように鉄道事故が起きていることを知っている。今回の高速鉄道事故は温家宝首相が現場に行ったのでさらに注目を集めているが、その他の多くの事故はほとんど報じられない。ただ、ネットや口コミでは事故の模様は伝わる。地下鉄でエレベーターが突然とまって多くの人がけがをしたり、ドアが故障して体を挟まれたりするのは日常茶飯事だ。

 車も危ない。

 道路が

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筆者

藤原秀人

藤原秀人(ふじわら・ひでひと) フリージャーナリスト

1980年、朝日新聞社入社。外報部員、香港特派員、北京特派員、論説委員などを経て、2004年から2008年まで中国総局長。その後、中国・アジア担当の編集委員、新潟総局長などを経て、2019年8月退社。2000年から1年間、ハーバード大学国際問題研究所客員研究員。

※プロフィールは原則として、論座に最後に執筆した当時のものです

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