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首長たちが「孫構想」に集まったのはなぜか?

菅沼栄一郎

菅沼栄一郎 朝日新聞記者(地域報道部)

 「この指とまれ」とばかりに、孫正義・ソフトバンク社長が打ち上げた自然エネルギー協議会に、35人の知事と17人の政令指定都市市長が賛同した。なぜ、これだけ多くの首長が集まったのか。

 自然エネルギーの拡大に向かう社会の流れに「乗り遅れまい」とする意識が、首長らにあったことは間違いない。とくに地方の知事は、数十年前に造成したまま売れなかった塩漬けの工業団地や耕作放棄地など「負の遺産を利益に転換」(平井伸治・鳥取県知事)したいとの経済的思惑があり、都市部の首長には、自然エネルギーの導入に伴って研究開発が進むスマートグリッド(次世代送電網)を活用した新たな機構作りへのバネにしたいという狙いがうかがえる。

自然エネルギー協議会の総会後、記者会見するソフトバンクの孫正義社長(左)=7月13日、秋田市
 ただ、今後の協議会の運営をめぐっては、「脱原発」をめぐる首長間の温度差や、一企業の社長が首長の集団の事務局長を務めるという異例の構成を考えると、自然エネルギーを拡大する政治環境の整備にどこまで力を発揮できるか、不安な要素が少なくない。

 7月13日の昼過ぎ。秋田市のホテルで開かれた自然エネルギー協議会の初めての総会は「非公開」だった。

 橋下徹・大阪府知事が会議の後で明らかにしたところによると、

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