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憎悪と不寛容を糧にうごめく欧州の極右

脇阪紀行

脇阪紀行 大阪大学未来共生プログラム特任教授(メディア論、EU、未来共生学)

 ノルウェーの連続テロ事件を起こしたアンネシュ・ブレイビク容疑者は7年間、右派政党・進歩党で活動していたが、その活動にあきたらず、5年前に党を離れた。イスラムへの敵意を募らせ、テロの決行を決意し、爆弾の材料となる肥料や銃器類を購入していったのはこの間のことだ。周到な準備を重ねるありさまは、極右思想に凝り固まりながら、ネットだけで同調者とつながる。そんな孤独なテロリストの姿が浮かんでくる。

 いまメディアの取材攻勢にあっているのが、欧州各国の右翼・極右勢力の指導者たちだろう。

自由党のウィルダース党首
 32歳のブレイビク容疑者は、首都オスロとウタヤ島で犯行に及ぶ前、自らの信念や犯行の動機を記した1500ページのマニフェストをウェブサイトに掲載した。その中で、尊敬する指導者として紹介されたのが、オランダの右翼政党・自由党のウィルダース党首である。

 筆者は2010年、ウィルダース党首にインタビューしたが、筆者の元にメールで送られてきた声明の中で同氏は、

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