遠藤乾(国際政治)
2011年08月05日
この間の国際環境の変化は明らかだ。大震災の陰に隠れてしまったが、2010年の一大テーマでいまだに消えてなくならないのが尖閣列島をめぐる中国との対立である。この背後には、生産力や軍事力をはじめとしたパワーの指標において、中国が興隆しているという基本的事実がある。これを背景に、同国はいつの時点かに何らかの経緯で「喪失」したと見なす領域を「回復」する意思があることを、世界中に知らしめた。このいわゆる領土的な野心は、尖閣のみならず、より熾烈な形で南沙・西沙諸島においても繰り広げられている。
北方領土問題の起源も、その後の細かい経緯も、ここでは問わない。ひとつ明確なのは、
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