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[5]中国の高速鉄道事故を考える――過熱した報道に異議あり!

聞き手=WEBRONZA編集部

原武史

――ある時期、英国の鉄道に悪いイメージを抱いたとしても、それは、いつまでもそのままではないということでしょうか。

 そうです。確かに90年代に、英国の鉄道がしょっちゅう遅れる時期があったことは間違いない。事故も多かった。でも、英国の鉄道会社も大いに反省して、そうした状況を改善したわけです。英国がそうだとすれば、成長著しい中国など世界各国の鉄道も、いつまでも劣悪な環境のままでいるとは限らない。

――各国の鉄道事情も刻々と変わる。確かにそうですが、一方で日本の新幹線の運行技術は「芸術的」とも評されます。新大阪駅のホームで20~30分眺めていると、3~4分間隔で次から次へと列車が発着する。これは「アート」とは言えないでしょうか。

 私に言わせれば、それも半分は「神話」です。というのも、

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筆者

原武史

原武史(はら・たけし) 

1962年、東京都生まれ。明治学院大学教授。専攻は日本政治思想史。著書に『大正天皇』(朝日選書、毎日出版文化賞)、『「民都」大阪対「帝都」東京――思想としての関西私鉄』(講談社選書メチエ、サントリー学芸賞)、『滝山コミューン 一九七四』(講談社文庫、講談社ノンフィクション賞)、『昭和天皇』(岩波新書、司馬遼太郎賞)、『鉄道ひとつばなし』『同2』(講談社現代新書)、『「鉄学」概論――車窓から眺める日本近現代史』(新潮文庫)など。最新刊に『鉄道ひとつばなし3』(講談社現代新書)がある。

※プロフィールは、論座に執筆した当時のものです