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ロシアによる前原誠司前外相への賛辞と期待

佐藤優

佐藤優 作家、元外務省主任分析官

●北方領土訪問に注目するロシア 

 ロシアが現在もっとも関心をもっている日本の政治家は、前原誠司前外相だ。8月6~7日、北方領土へのビザなし交流の枠組みで、前原氏が択捉島を訪問した。この訪問に関し、ロシア国営ラジオ「ロシアの声」(旧モスクワ放送)が日本向け放送で興味深い論評を行った。

拡大択捉へ向かう船に乗り込む前に、見送りの人たちと握手を交わす前原誠司・前外相=8月5日
 ちなみに「ロシアの声」は、国営放送であるので、ロシア政府の立場に反する論評は行わない。日本向け放送は、旧モスクワ放送の時代から、ロシア政府の日本政府へのシグナルを送る機能を果たしている。

 ただし、このシグナルはロシア流なので、独自の読み解き技法が必要とされる。それでは、「ロシアの声」日本語版HPに掲載されたタチヤナ・フロニ氏の「前外相のビザなし渡航はロ日の相互理解に通じるか」と題する論評を引用しておく。

<日本の政治家達の間で、南クリル(北方領土)へのビザなし渡航が「人気」だ。

 前原誠司前外相もつい先日、この地を訪れた。前原前外相が、ビザなし交換のシステムに基づいてエトロフ島を訪問したのは、すでに二度目で、最初は氏が国土交通相を務めていた時だった。その後、氏はヘリコプターでクリール付近を空から視察した。しかし、これらは、島々に対する氏の実際的な生の関心に完全に応えたものとはならなかったようだ。

 とはいえ前原前外相の南クリル訪問の主な動機は、別のところにあるように思われる。

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筆者

佐藤優

佐藤優(さとう・まさる) 作家、元外務省主任分析官

1960年生まれ。作家。元外務省主任分析官。同志社大学神学研究科修士課程修了。外務省では対ロシア外交などを担当。著書に『宗教改革の物語――近代、民族、国家の起源』(KADOKAWA)、『創価学会と平和主義』(朝日新書)、『いま生きる「資本論」』(新潮社)、『佐藤優の10分で読む未来』(新帝国主義編、戦争の予兆編、講談社)など多数。

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