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接近する中国とイラン

高橋和夫

高橋和夫 放送大学教養学部教授(国際政治)

 イランと中国が国交樹立40周年を祝っている。40年前の1971年に、イランが台湾の中華民国政府の承認を取り消し、北京の中華人民共和国政府を中国を代表する政府として承認した。当時のイランはシャーの独裁下にあった。米国のキッシンジャー補佐官が北京を訪問した事実が公表された後、シャーは北京政府の承認を決断した。

 以後40年の時が流れた。1970年代末にイランはイスラム体制の国家となり、ほぼ同じ時期から中国は改革開放政策を進めてきた。そして両国は、経済的に密接に結びつくようになった。米国に主導される経済制裁下のイランは必死に友人を求めている。急速な経済成長を支えるために中国はエネルギー資源を求めている。両者の利害が一致した。

 イランは中国にとっての重要な

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