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欧州の戦術核、完全撤去は至難

谷田邦一

谷田邦一 朝日新聞専門記者(防衛問題担当)

 冷戦が終わり、旧ソ連が崩壊してから今年で20年。米ソの直接対決は回避されたが、欧州には今も大量の戦術核が配備された状態が続いている。北大西洋条約機構(NATO)諸国とロシアとの不信感が根深く、互いに戦略バランスを維持しようと削減に後ろ向きだったためだ。

 「核兵器のない世界」をめざすオバマ政権は、米ロの新戦略兵器削減条約(新START)が今年2月に発効したのを受けて、「欧州からの戦術核の完全撤去」を次の課題に掲げている。しかし、ロシアばかりか身内のNATOの一部さえも慎重姿勢を崩そうとせず、戦略核交渉以上に険しい道のりになりそうだ。

 冷戦中、東西両陣営が対峙した欧州では、1987年に結ばれた中距離核戦力(INF)全廃条約で、核戦争の恐怖から解放されたとされる。しかしそれは核弾頭をつんだ弾道ミサイルが飛び交う戦争が遠のいただけで、今なお米ロあわせて2千発を超す小型の戦術核が、欧州で使用される前提で配備されている危険な構図は変わらない。

 欧州の核兵器事情は今、どうなっているのだろうか。

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筆者

谷田邦一

谷田邦一(たにだ・くにいち) 朝日新聞専門記者(防衛問題担当)

1959年生まれ。1990年、朝日新聞社入社。社会部、那覇支局、論説委員、編集委員、長崎総局長などを経て2013年4月から社会部専門記者(防衛問題担当)。主要国の防衛政策から最新兵器、軍用技術まで軍事全般に関心がある。防衛大学校と防衛研究所で習得した専門知識が、現実の紛争地でどのくらい役立つのか検証取材するのが夢。

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