高橋和夫
2011年08月26日
これでカダフィは、依然として風変わりな独裁者だったが、もはや危険ではなくなった。
なぜリビアは大量破壊兵器の製造計画を放棄したのだろうか。それは、イラクのフセイン体制が大量破壊兵器の「秘匿」を理由に攻撃され打倒されるのを見たからである。つまりリビアの大量破壊兵器の放棄は、米英のイラク戦争の成果である、との解釈がブッシュとブレアの両首脳によって強調された。イラク戦争はフセインという一人の独裁者を倒したばかりでなく、カダフィという、もう一人の独裁者の牙を抜いた。世界は、より安全になった、というわけだ。
リビアの譲歩には、ついでにボーナスもついてきた。
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