佐藤優
2011年08月30日
小沢一郎氏は民主党代表選が終わった直後、都内のホテルで開いた自らの議員グループ会合に顔を出した。鳩山由紀夫前首相や海江田氏らを送り出した後、約80人の議員を前にこう語った。
「177票は立派な数字だ。でも負けは負けだ」
閣僚経験のない樽床伸二・元国会対策委員長を担いで敗れた昨年6月。自ら出馬して敗れた昨年9月。菅直人氏に敗れた過去2回の反省を踏まえ、今回は「勝てる候補」と「グループの結束」という二兎(にと)を追う候補者を探し、最終的に擁立したのが海江田氏だった。
1回目の投票で1位を得ながらも、決選投票で敗れたのは、党内に広がる「小沢アレルギー」の結果である。党内最大の勢力を握っていても、小沢氏が推した候補者は代表選を制することができないという構図がはっきりした。>(8月30日 asahi.com)
小沢氏は4連敗したと筆者は認識している。朝日新聞が指摘する3回の民主党代表選挙に加え、今年6月2日、衆議院に野党が提出した内閣不信任案に賛成して、菅直人内閣を打倒しようとした画策がうまくいかなかったことも小沢氏の敗北に加えるべきだからだ。
なぜ選挙工学に長け、結束が堅く、政治資金も潤沢な小沢グループが連敗するのだろうか。「小沢アレルギー」がどうして生じるかについて、掘り下げて考えてみたい。
筆者は、その理由を
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