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熱烈な愛国心と恒常的な恐怖――失われたアメリカの自由

金惠京(ハワイ大学韓国研究センター客員教授)

金恵京 日本大学危機管理学部准教授(国際法)

 そして、第二の愛国心の表象としては、他国に対する攻撃的姿勢が挙げられる。例えば、前掲のビン・ラディン殺害後、低迷傾向にあったオバマ政権の支持率は急上昇した。元来、ブッシュ政権による対テロ戦争への厭戦感を支持の一つとしていたオバマ大統領にとっては、9・11同時多発テロ以後、急速に求心力を増したブッシュ政権と同様の方法で支持率を向上させたのは皮肉な結果であった。

 次に、恒常的な恐怖の表れとしては、第一に、飛行機の搭乗や、官公庁等の公的施設への入場の際に、必ず厳密な持ち物検査やボディチェックが行われることが挙げられる。私自身、この夏、日本で重要な公的施設に入場する際、余りにあっけなく通過できたことに驚いてしまった。しかし、それは以前のアメリカであれば、当然のことであり、自分自身もこの10年のアメリカの感覚に慣れてしまっていたことに気づかされた。

 第二に挙げられるのが、

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筆者

金恵京

金恵京(きむ・へぎょん) 日本大学危機管理学部准教授(国際法)

国際法学者。日本大学危機管理学部准教授、早稲田大学博士(国際関係学専攻)。1975年ソウル生まれ。幼い頃より日本への関心が強く、1996年に明治大学法学部入学。2000年に卒業後、早稲田大学大学院アジア太平洋研究科修士課程に入学、博士後期課程で国際法によるテロリズム規制を研究。2005年、アメリカに渡り、ローファームMorrison & Foester勤務を経て、ジョージ・ワシントン大学総合科学部専任講師、ハワイ大学東アジア学部客員教授を歴任。2012年より日本に戻り、明治大学法学部助教、日本大学総合科学研究所准教授を経て現在に至る。著書に、『テロ防止策の研究――国際法の現状及び将来への提言』(早稲田大学出版部、2011)、『涙と花札――韓流と日流のあいだで』(新潮社、2012)、『風に舞う一葉――身近な日韓友好のすすめ』(第三文明社、2015)、『柔らかな海峡――日本・韓国 和解への道』(集英社インターナショナル、2015)、最新刊に『無差別テロ――国際社会はどう対処すればよいか』(岩波書店、2016)。

※プロフィールは原則として、論座に最後に執筆した当時のものです

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