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増税? なんかオカシクないか?――民間の試みに期待しよう 

鈴木崇弘

鈴木崇弘 城西国際大学客員教授(政治学)

●復興支援と経済刺激を見据えて

 3・11の震災以来、増税論議が与野党を超えて喧しい。菅政権では、昨年の参議院選挙での与党敗北を受けて抑えていたが、震災以降増税の方向に突き進んできていた。その中心は、野田財務大臣(当時)だった。

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 その野田さんが、菅さんに代わって総理に就任した。野田政権は、財務省とタッグを組み、まさに増税を実現するための布陣を敷いているようにみえる。与党内あるいは野党にもいまだ増税に対する批判や拒否感があり、今後も紆余曲折があろうが、震災復興のためには国民の間でも増税やむなしの声が高まってきている(注1)。

 話は前後するが、国民は、行政依存の自民党への不満や批判を高め、2009年の総選挙で、政治が行政をコントロールし、政治主導・脱官僚で政策形成を行うと主張した民主党を選択し、政権交代が起きた。

 だが、その政権交代によって起きた現実は、政治が行政を適切にコントロールすることとは大きく異なる。現与党は、政策を必ずしも適切に形成できずに、自党のマニュフェストも捨て(注2)、行政への依存度を増している。

 このような状況において、我々は次のことをよくよく思い出すべきだ。

 この20年、政策のムダづかいや行政の効率の悪さが指摘され、行政の問題点が批判されてきたはずだ。そして行政と政治の連携による多大な財政上の借金がある。このことは、震災の前後で大きく変わったとは、どう考えても考えられない。だが増税は、その行政・政治に金を渡すことを意味するのだ(注3)。

 また、現在の日本経済は、この20年、一時は改善に向かった時期もあるが、2008年9月のリーマン・ショックによる傷はいまだ大きく深い。そのような状態において、3・11の震災やその後の甚大な影響(注4)がある。このように日本の経済は、非常に厳しい状態にある。

 ここで復興投資を増税に依存すれば、多くの国民は財布のひもをさらに引き締めるなど、ただでさえ停滞している日本の経済はさらに低迷し、復活は妨げられることになる(注5)

 そのような状況にもかかわらず、増税して、行政・政治に政策を執行させるというのはオカシクないか。

 このような観点から見たときに、民間で面白い取り組みがある。

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筆者

鈴木崇弘

鈴木崇弘(すずき・たかひろ) 城西国際大学客員教授(政治学)

城西国際大学大学院国際アドミニストレーション研究科客員教授。1954年生まれ。東京大学法学部卒。マラヤ大学、イースト・ウエスト・センターやハワイ大学大学院等に留学。東京財団の設立に関わり、同財団研究事業部長、大阪大学特任教授、自民党の政策研究機関「シンクタンク2005・日本」の設立に関わり、同機関理事・事務局長などを経て現職。中央大学大学院公共政策研究科客員教授。著書に『日本に「民主主義」を起業する――自伝的シンクタンク論』『シチズン・リテラシー』『僕らの社会のつくり方――10代から見る憲法』など。

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