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[7]震災後のリニア建設を考える(その4)――リニアは、東京への一極集中を加速させる

聞き手=WEBRONZA編集部

原武史

――JR各社の中でJR東海の収益性が抜群に高い。ところが、そうやって蓄積した手元資金をどう使うかという時に、自社の管轄エリア内で使おうとしてしまう。

 JR東海という民間企業の戦略としては合目的的であっても、日本全体で見れば明らかに無駄な余剰路線を作ろうとする。本来なら東海道新幹線のバイパスは東海道本線でしょう。もちろん、東海道新幹線は「新」しい「幹線」として作られたわけですから、早く遠くに行きたい人は新幹線で十分です。東京~名古屋間は今でも1時間半で行ける。これに対して、かつての大幹線である東海道本線があまりにも分断されたまま放置されています。いまや、東京から神戸までを通して走る列車は、寝台特急の「サンライズ出雲・サンライズ瀬戸」しかありません。この列車は寝台特急ですから、昼間は1本もないわけです。

 こうなった主な原因は、

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筆者

原武史

原武史(はら・たけし) 

1962年、東京都生まれ。明治学院大学教授。専攻は日本政治思想史。著書に『大正天皇』(朝日選書、毎日出版文化賞)、『「民都」大阪対「帝都」東京――思想としての関西私鉄』(講談社選書メチエ、サントリー学芸賞)、『滝山コミューン 一九七四』(講談社文庫、講談社ノンフィクション賞)、『昭和天皇』(岩波新書、司馬遼太郎賞)、『鉄道ひとつばなし』『同2』(講談社現代新書)、『「鉄学」概論――車窓から眺める日本近現代史』(新潮文庫)など。最新刊に『鉄道ひとつばなし3』(講談社現代新書)がある。

※プロフィールは、論座に執筆した当時のものです