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中国の空母建造の野望を歓迎する(上)――巨額の予算と低い能力

清谷信一 軍事ジャーナリスト

 先頃中国は初の空母となる「ワリヤーグ」の試験公開を行った。恐らく中国は今後3~5隻ほどの空母を建造する野心を抱いていると見られている。

拡大大連港に停泊しているワリヤーグ。中国海軍の色に塗装されている=2011年8月

 筆者はこれを歓迎する。

 というのも空母、それに付随する艦隊の建造と運用は巨額の予算が必要となるからだ。

 しかも中国の空母は少なくとも今後20年ほど、恐らくは30年以上経っても非常に低いレベルの能力しか獲得できない。有り体に言えば金を溝(どぶ)に捨てるようなものである。

 例えば空母部隊に投じる予算を弾道ミサイルや潜水艦、あるいはネットワークやサイバー戦能力向上につぎ込まれると、これは非常に剣呑な事態になる。中国が空母建造に血道を上げてくれれば、そのぶん我が国や周辺諸国に対する軍事的な圧力は減じることになる。我が国にとってはもっけの幸いである。

 中国が空母を持ちたい最大の理由は ・・・ログインして読む
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筆者

清谷信一

清谷信一(きよたに・しんいち) 軍事ジャーナリスト

軍事ジャーナリスト、作家。1962年生まれ。東海大学工学部卒業。03~08年まで英国の軍事誌Jane's Defence Weekly日本特派員。香港を拠点とするカナダの民間軍事研究機関、Kanwa Informtion Center上級顧問。日本ペンクラブ会員。著書に『専守防衛─日本を支配する幻想』『防衛破綻―「ガラパゴス化」する自衛隊装備』『自衛隊、そして日本の非常識』『ル・オタク フランスおたく物語』、共著に『軍事を知らずして平和を語るな』『アメリカの落日―「戦争と正義」の正体』『すぐわかる国防学』など。最新刊に『国防の死角――わが国は「有事」を想定しているか』。

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