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中国の空母建造の野望を歓迎する(中)――米空母とはオトナと子供

清谷信一 軍事ジャーナリスト

 前回、中国の空母のサイズや搭載機数は米空母の約3分の2程度だと述べた。だがそれは中国の空母の実力が、単純に米空母の3分の2に匹敵することを意味しない。中国の空母と米空母を比べるとオトナと子供以上の差がある。まず、艦隊の目となる早期警戒機が大きく劣る。米空母は早期警戒機として固定翼のE-2Cを使用している。これは空自も早期警戒機として採用している。機体自体の設計は古いが、システムは常に更新されている。フランスの空母もこのE-2Cを採用している。

拡大早期警戒機E-2C=航空自衛隊ホームページから

 対して中国はロシアやインド同様に早期警戒レーダーを搭載したヘリコプターを当てる予定だ。早期警戒ヘリは固定翼機に比べて速度、航続距離、滞空時間、飛行高度が大きく劣る。つまり探知範囲は極めて限定されると言ってよい。

 しかもロシアが早期警戒ヘリの売却を拒んだので自主開発しなければならない。このため現時点では、機体やレーダーの性能がロシア製の早期警戒ヘリより優れたものになるとは現時点では考えにくい。

 中国が固定翼の早期警戒機を開発しても空母では運用できない。それはカ ・・・ログインして読む
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筆者

清谷信一

清谷信一(きよたに・しんいち) 軍事ジャーナリスト

軍事ジャーナリスト、作家。1962年生まれ。東海大学工学部卒業。03~08年まで英国の軍事誌Jane's Defence Weekly日本特派員。香港を拠点とするカナダの民間軍事研究機関、Kanwa Informtion Center上級顧問。日本ペンクラブ会員。著書に『専守防衛─日本を支配する幻想』『防衛破綻―「ガラパゴス化」する自衛隊装備』『自衛隊、そして日本の非常識』『ル・オタク フランスおたく物語』、共著に『軍事を知らずして平和を語るな』『アメリカの落日―「戦争と正義」の正体』『すぐわかる国防学』など。最新刊に『国防の死角――わが国は「有事」を想定しているか』。

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