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脱北難民(下)――日本に大量には来ない

石丸次郎 石丸次郎(ジャーナリスト/アジアプレス)

 先月能登半島沖に小舟で渡ってきた脱北難民9人は、当人たちの希望通り韓国に移送された。

 気になるのは、今後、北朝鮮から難民がどれぐらい日本に向かって来るかである。

拡大韓国・仁川空港に到着した脱北者たち=10月4日、東亜日報提供

 日本入りする脱北難民は速いペースで増えてきた。2002年夏に約20人だったのが(筆者調べ)、外務省は公表しないが、現在は200人を超えていると思われる。

 一部の政治家や評論家の中には「朝鮮半島有事の際には100万の北朝鮮難民が押し寄せる」とか、「難民を偽装した武装工作員が来る」などと発言する人がいる。

 筆者に言わせれば、無責任で荒唐無稽な話に過ぎない。

 結論から言うと、

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筆者

石丸次郎

石丸次郎(いしまる・じろう) 石丸次郎(ジャーナリスト/アジアプレス)

1962年、大阪出身。1993年に朝中国境1400キロを踏破。北朝鮮取材は国内に3回、朝中国境地帯にはおよそ75回。これまで750人を超える北朝鮮の人々を取材。2002年より北朝鮮内部にジャーナリストを育成する活動を開始し、北朝鮮内部の情報誌「リムジンガン」を創刊、現在5号を発行。主著に『北朝鮮難民』(講談社現代新書)など。TV報告に『北朝鮮に帰ったジュナ』(2010、NHKハイビジョン特集)など。

※プロフィールは原則として、論座に最後に執筆した当時のものです

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