2011年10月13日
米国の大学の学費は高い。学費が文科系で年額4万ドル(約310万円)もする。これに生活費が切り詰めても年2万ドル(約155万円)くらいかかる。しかも宿題が多く試験も厳しいので、アルバイトで学費と生活費を稼ぎながら勉強することは不可能だ。確かに米国では奨学金が充実しているが、大学生全員が受けられるわけではない。多くの学生が4年間で2000万円近くのローンを抱えている。しかも就職が容易でない。
米国の大学事情に詳しい佐々木紀彦氏が著書『米国製エリートは本当にすごいのか?』(東洋経済新報社、2011年)で<たとえばハーバード大学では、就職活動をしている学生のうち、卒業までに就職先が決まった学生は二〇一〇年で七三%にすぎません。リーマンショックの影響をもろにうけた二〇〇九年にいたっては、わずか五八%でした。>(44頁)と記す。就職ができなくてもローンの返済に迫られる。行き場のない怒りがデモという形で爆発しているのだ。
なぜ、大学生新卒者の就職難が生じるのか。
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