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アメリカがサウジアラビアになる日

高橋和夫 放送大学教養学部教授(国際政治)

 もちろんアメリカがサウジアラビアになったりはしない。しかしサウジアラビアのような石油輸出国になる可能性が見えてきた。アメリカの石油生産が急速に伸びてきたからだ。ガス生産は、それ以上のペースで伸びている。

拡大シェール・ガスの掘削設備。手前のパイプを地下に打ち込み、ガスを地上に取り出す=米フォートワース市近郊で

 その理由は技術革新である。頁岩(けつがん)の岩盤の中にガスや石油が閉じ込められていることは知られていた。こうしたガスと石油を、シェール(頁岩)・ガスとシェール・オイルと呼ぶ。問題はコストがかかり過ぎ、これまでは経済的に取り出すことができなかったことだ。

 しかし技術革新により、それが可能になった。帝京平成大学の須藤繁教授の論考によれば、この技術革新の中心にあるのは水平掘りである。これは垂直に掘られた井戸の方向を地下で90度曲げて水平に掘り進める技術である。もう一つ重要なのは、岩盤に割れ目を入れる水圧破砕と呼ばれている技術である。

 21世紀に入り、シェール・オイルとシェール・ガスの生産が急増している。アメリカの有力なラジオ局NPR(ナショナル・パブリック・ラジオ)が9月25日に報じた数値によると、石油でみると、2008年にはアメリカの国内消費の3分の2は輸入に依存していた。ところが2011年は、輸入依存度は

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筆者

高橋和夫

高橋和夫(たかはし・かずお) 放送大学教養学部教授(国際政治)

北九州市出身、放送大学教養学部教授(中東研究、国際政治)。1974年、大阪外国語大学ペルシャ語科卒。1976年、米コロンビア大学大学院国際関係論修士課程修了。クウェート大学客員研究員などを経て現職。著書に『アラブとイスラエル』(講談社)、『現代の国際政治』(放送大学教育振興会)、『アメリカとパレスチナ問題』(角川書店)など多数。ツイッター https://twitter.com/kazuotakahashi ブログhttp://ameblo.jp/t-kazuo 

※プロフィールは原則として、論座に最後に執筆した当時のものです

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