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ギリシャ危機…潰えた国民投票の政治的意味

鈴木崇弘

鈴木崇弘 城西国際大学客員教授(政治学)

 ギリシャ危機、それに伴うEUの混乱は、欧州発の財政・金融危機への緊急対応の問題(注1)があるために、どうしても金融・財政や経済の問題が前面に出がちだ。

 その財政・金融危機は何としても対処し解決していかないわけにはいかない問題だ。そのためには、G20やEUも含めて、取り得るあらゆる対応を迅速かつ適切にとり、この危機がグローバルな経済問題に至らないようにしなければならない。

 11月5日付朝日新聞の1面に「地球規模の統治 考える時」という記事が掲載されている。その記事は、短期的な危機回避を超えた問題提起をしているが、飽くまでもグローバルレベルでの金融・経済における危機管理と新たなる統治システムを考えるべきことを提唱している。

 そのような中、パパンドレウ・ギリシャ首相が一時主唱し、その後EU圏内の批判や独仏両首脳の説得、つなぎ融資凍結という恫喝にも近い最後通牒などにより断念、中止することになった国民投票の問題は、グローバル社会や地域統合の方向性のなかにおいて、政治的に非常に重要な問題を投げかけたと考えられる。

 それは、特にグローバル経済やEUなどの地域経済統合の進行下における、グローバル社会や統合体(統合地域)とそこにおける各国の政治制度(特に民主主義制)との関係性とその正統性の問題である。

 ギリシャは、その金融・財政問題は自助努力によるリカバリーはすでにありえない状況に陥っている。であるにも関わらず、

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筆者

鈴木崇弘

鈴木崇弘(すずき・たかひろ) 城西国際大学客員教授(政治学)

城西国際大学大学院国際アドミニストレーション研究科客員教授。1954年生まれ。東京大学法学部卒。マラヤ大学、イースト・ウエスト・センターやハワイ大学大学院等に留学。東京財団の設立に関わり、同財団研究事業部長、大阪大学特任教授、自民党の政策研究機関「シンクタンク2005・日本」の設立に関わり、同機関理事・事務局長などを経て現職。中央大学大学院公共政策研究科客員教授。著書に『日本に「民主主義」を起業する――自伝的シンクタンク論』『シチズン・リテラシー』『僕らの社会のつくり方――10代から見る憲法』など。

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