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原発輸出は野田政権が帝国主義化しつつあることの証左だ

佐藤優 作家、元外務省主任分析官

 日本政府は、ベトナムへの原発輸出に舵を切った。それ以外にもインド、トルコ、リトアニアにも原発を輸出しようとしている。日本国内では脱原発依存(あるいは減原発)を進めているにもかかわらず、外国に日本製原発を輸出するのは矛盾しているのではないかという疑問が当然出てくる。これに対し、枝野幸男経産相は「矛盾でない」と胸を張って答える。朝日新聞の記事を引用しておく。

<国内は脱原発、でも輸出は推進 枝野経産相「矛盾せぬ」

 枝野幸男経済産業相は5日、東日本大震災後に停滞している原発輸出について、相手国から要請があれば輸出するべきだとの考えを明らかにした。都内の早稲田大学で行った講演で、「わが国がいま持っている技術について海外の評価にこたえるのは、むしろ国際的な責任だ」と語った。 

 枝野氏は、原子力にはプラス面がある一方でリスクもあると指摘。「リスクをどの程度重視するかは国によって違う。地震や津波がない国もあるが、日本は圧倒的に原子力を使うには適さない」と述べ、国内での原発の新規立地には否定的な考えを示した。 

 そのうえで、原発依存を減らすことと輸出推進との関係について、枝野氏は「(原発)技術を国内で使わなくなるかもしれないが、(外国が)評価するなら、それにこたえることは矛盾でない」と話した。 

 東京電力の福島第一原発事故後、原発輸出には慎重論が強まったが、野田政権は再び推進に転換。新興国を中心に原発導入を検討する国は多く、日本の官民はベトナムやトルコ、ヨルダンなどへの輸出を目指し、交渉している。 

 環太平洋経済連携協定(TPP)については「目先の政局で判断するべき小さな話ではない」と指摘。「農業は潜在的に競争力がある。輸出産業として成り立つようにしないといけない」と述べ、交渉参加に前向きな姿勢を示した。(福田直之)>(11月5日、朝日新聞デジタル、asahi.com) 

 枝野経産相の論理は、原発について、日本政府は、国内と国外で二重基準(ダブルスタンダード)を取るということだ。これは典型的な帝国主義者の発想だ。枝野氏の論理を理解するためには、マルクスの『資本論』をひもとく必要がある。 ・・・ログインして読む
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筆者

佐藤優

佐藤優(さとう・まさる) 作家、元外務省主任分析官

1960年生まれ。作家。元外務省主任分析官。同志社大学神学研究科修士課程修了。外務省では対ロシア外交などを担当。著書に『宗教改革の物語――近代、民族、国家の起源』(KADOKAWA)、『創価学会と平和主義』(朝日新書)、『いま生きる「資本論」』(新潮社)、『佐藤優の10分で読む未来』(新帝国主義編、戦争の予兆編、講談社)など多数。

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