2011年12月01日
私は先日のこの欄で、橋下氏を「暴れ馬」と表現した。地方分権と脱原発という2つのテーマで、橋下氏の突破力は対応が鈍い政府の尻をたたく有力な武器となるだろう。ただ、君が代を起立して歌わない教員はクビ、などとした教育・職員条例等をめぐる強硬路線は圧勝でさらに勢いづいた。これにブレーキをかけるのはいささか覚悟の要る作業になりそうだ。
暴れ馬の手綱さばきを考える際のひとつのカギとなりそうなのが、橋下氏の「公開」姿勢だ。橋下氏は当選直後に、「質問が続く限り」3時間を超える記者会見をした。教育委員会とは選挙前に公開論争をした。けんか腰で周囲を政策論争に巻き込む橋下流に対抗するには、アクセルを踏むにもブレーキかけるにも市民サイドの積極参加がポイントになりそうだ。
選挙の焦点となった「大阪都」構想は、基本設計が固まっていないこともあって、構想実現までには長い道のりが予想される。今のところ明確なのは、(1)東京都のように区長公選を導入する(2)東京23区よりも区の権限を少し大きくする、程度だ。投票をしたほとんどの大阪市民も「われわれの暮らしのためになるかよくわからない」とクビをかしげていた。
橋下氏の当面の狙いは、
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