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中国漁船問題で沸騰する中韓世論、沈静化を待つ両政府

藤原秀人 朝日新聞記者(国際報道部)

 韓国の仁川沖で12月12日朝、不法操業の中国漁船を取り締まっていた韓国海洋警察庁の男性警官(41)が漁船員に刺され、亡くなった。中国漁船の凶暴な抵抗はこれまでも韓国内で問題視されていたが、死者まで出たことで、韓国世論は沸騰した。それを受けて中国世論が「韓国人は騒ぎすぎだ」と猛反発している。来年の国交20周年を控えた中韓両政府は、早期の事態収拾を図りたいところだが、激しい民意への対応に苦慮している。

 「いやー、とてもひとごととは思えない」

 仁川沖事件の後で筆者が会ったある日本外務省幹部の発言だ。2010年9月の尖閣沖漁船衝突では、民主党政権の稚拙な対応が批判されたが、もし死傷者が出ていたら、事態はどう展開したか分からない。中国漁船の不法な操業は今も続いており、仁川沖で起きたようなことは日中間でも十分ありえるのだ。ただ、漁場としては韓国の海の方が豊かであるため、トラブルも多くなる。

拡大11月16日、朝鮮半島西側の黄海沖合で不法操業していた中国漁船団。右後方は韓国警備艦=東亜日報提供

 中国の漁船が韓国の海域に頻繁に出没するようになったのは、10年ほど前からだ。中国沿岸の漁業資源が乱獲や環境汚染で激減したためだ。韓国側の取り締まりから逃れるため、漁船には鉄パイプや竹ざおが備えられている。 ・・・ログインして読む
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筆者

藤原秀人

藤原秀人(ふじわら・ひでひと) 朝日新聞記者(国際報道部)

1980年、朝日新聞社入社。外報部員、香港特派員、北京特派員、論説委員などを経て、2004年から2008年まで中国総局長。その後、中国・アジア担当の編集委員、新潟総局長を経て、2014年9月より国際報道部。2000年から1年間、ハーバード大学国際問題研究所客員研究員。

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