2011年12月30日
装備調達予算の減少に対して維持整備予算は1990年が4769億円だったものが2005年には金額で装備調達費を追い抜き、2010年では7923億円と約8割も膨れあがっている。
また装備の高度化=高額化に伴って各装備の調達数は減る傾向にある。従来から防衛装備調達数は毎年少量の調達を続けてきた。このため調達コストが上がり、なおさら調達単価が上がるという悪循環を起こしてきた。
例えば89式小銃は旧式化した64式小銃の後継だが、1丁あたり30万円以上かかり、先進諸国の小銃に比べても概ね4~6倍ほど高く、このため20年経っても更新が完了していない。部隊では教育、兵站が二重に必要でありコストがかかる。のみならず相互の弾薬に互換性もないので、有事になれば不利である。
これはメーカーにとってもいいことではない。いつまでも古い装備のパーツの生産を行わなくてはならない。つまりそのための機械や従業員が拘束される。例えば1種類の小銃で年間1000個必要な部品があるとしよう。小銃が2種類ならばそれぞれ500個が必要となり、1種類に比べて生産効率は半分に落ちる。
陸上自衛隊は新型の10式戦車を導入、2012年度から配備が始まる。このため74式、90式、10式と3世代の戦車が存在することになる。90式と10式は120ミリ滑腔砲を使用しているが、10式用の新型砲はより強力な新型徹甲弾を使用する。この弾薬は90式の主砲では使用出来ない。部品はもちろん乗員の訓練は小銃とは比べ物にならないくらい多額の費用がかかる。対して欧米先進国では大抵1種類だ。しかも新型戦車を開発するのではなく、既存の戦車の改良で凌いでいる。
そもそも我が国本土で大規模な戦車戦が起こりうる可能性はない。周辺諸国にそのような揚陸能力を持った国はない。また仮面ライダーの「ショッカー」やレインボーマンの
有料会員の方はログインページに進み、朝日新聞デジタルのIDとパスワードでログインしてください
一部の記事は有料会員以外の方もログインせずに全文を閲覧できます。
ご利用方法はアーカイブトップでご確認ください
朝日新聞デジタルの言論サイトRe:Ron(リロン)もご覧ください