2012年01月09日
本命とされるロムニーは勝ったというよりは、負けなかっただけという結果である。逆に2位のサントラムにとっては、最近までは泡沫候補視されていただけに、負けたのだが、勝ったも同然の「負け」であった。
数字を詳しく見ると総投票数は12万2255票であった。このうちロムニーは、約四分の一にあたる3万15票を獲得した。サントラムは3万7票であった。繰り返しになるが、わずか8票差であった。4年前にも共和党の予備選に出馬し、アイオワで2位につけたロムニーは、それ以来、資金を集め組織を固めてきた。
それに比べるとダークホースとして出馬したサントラムには金も知名度も組織もなかった。日本の政治用語を使えば、カバン、看板、地盤のいずれでも劣っている。そのサントラムが、8票差までロムニーを追い詰めた。
ある専門家の計算によれば、アイオワでの1票のためにロムニーが使った資金は、113ドルになるという。対するサントラムは1ドル65セントしか使っていない。同候補は、庶民的な姿をアッピールして選挙を戦った。それは同時に、資金不足からの必要に迫られた作戦であった。
その手段として使ったのが、トラックによる遊説である。
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