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最近、日本の政治でなんか変だと思うこと

鈴木崇弘 城西国際大学客員教授(政治学)

 最近なんか変だと思ういくつかのことについて、考えてみたい。

 まず一つ目は、岡田克也副総理の主張。 

 岡田副総理は、その後民主党内や野党などの反発で、主張を自粛したようだが、この1月、国会議員歳費と政党交付金(政党助成金)(注1)の削減に意欲を表明した。これは、増税を実現するために、議員や政党が身銭を切る姿を率先して示したかったのであろう。

 しかしながらよく考えていただきたい。日本はこれまで、行政が政策形成や政治をコントロールしている状態にある。ここで国会が活用できる資金を減らすことは、さらに政治の力や国会の政策形成力を弱め、人材の低下をもたらし、相対的に行政を強化することになる。それは、一見正しいように見える提案が、実はより大きな問題を生みかねないことを意味する。

 岡田副総理が本来提案すべきは、議員定数を減らし、その必要歳費の全部あるいは一部を議員の政策形成をサポートするスタッフの増員に活用するとか、減額する政党交付金の全部か一部を政策活動に充当するとことであるはずだ。それによって、政治の側の政策形成能力を強化し、行政をより有効にコントロールすることになるはずだ。

 2つ目は、国家公務員の給与を、人事院勧告を含め、新年度から平均7.8%、2年間にわたり引き下げる法案が通る。これは、民主党が早期実現を優先し、自公両党案に沿った内容に譲歩することで実現したものだ。

 なぜ、民主党がそうしたか。それは、消費税などの増税実現を図るために、国民に無駄の排除を印象付けると共に、野党の協力を得るための布石を打つためだ。

 だが、国家公務員給与をこのタイミングで引き下げることには、実は問題がある。この給与引き下げは、地方公務員の給与引き下げにもつながる。そして、このような引き下げは、民間企業などの給与引き下げにもつながっていこう。これはさらに国民の消費を抑えていくことになる。ということは、消費税引き上げをしても、必ずしも税収が増えず、消費税増税が意味をなさないことになる。

 行政機構に無駄が多いのは事実だ。だからといって、公務員の給与を一律に下げるのはどうだろうか。現在のように多くの困難と課題に直面する日本だからこそ、行政、公務員にもっと活躍してもらわなければならない分野もあるはずだ。もっとキメ細かい対応が必要で、民主党のやり方は、増税のためのパフォーマンスといわれても仕方がない。

 最後は、大阪維新の会の問題。 ・・・ログインして読む
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筆者

鈴木崇弘

鈴木崇弘(すずき・たかひろ) 城西国際大学客員教授(政治学)

城西国際大学大学院国際アドミニストレーション研究科客員教授。1954年生まれ。東京大学法学部卒。マラヤ大学、イースト・ウエスト・センターやハワイ大学大学院等に留学。東京財団の設立に関わり、同財団研究事業部長、大阪大学特任教授、自民党の政策研究機関「シンクタンク2005・日本」の設立に関わり、同機関理事・事務局長などを経て現職。中央大学大学院公共政策研究科客員教授。著書に『日本に「民主主義」を起業する――自伝的シンクタンク論』『シチズン・リテラシー』『僕らの社会のつくり方――10代から見る憲法』など。

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