2012年03月19日
重慶市党委書記を兼任することになった張徳江・副首相(65)は15日に重慶市で開いた幹部会議で、解任を決めた党中央の決定を「完全に支持する」と述べた。党中央の決定は解任の理由を明らかにしていなかったが、会議に出席した党中央の人事責任者である李源潮組織部長(61)は次のように語った。
「王立軍が成都の米国総領事館にひそかに駆け込んだ事件の性質は深刻で、極めて悪い影響をもたらした。重慶市の指導者の調整は、事件の深刻な政治的影響をかんがみたものだ」
王立軍事件に触れる前に、薄氏の最近の活動を紹介した方が、中国政治の構造がわかりやすいだろう。
薄氏は副首相を務め2007年に死去した薄一波氏の次男。薄一波氏は故鄧小平氏らとともに「八長老」の一人に数えられ、保守派として知られた。そんな父を持つ薄氏は、いわゆる「太子党」の一人である。
北京大学を出た薄氏は長らく遼寧省内で勤務した後、2004年に商務相に就任し、2007年に重慶市書記に転じた。巨大な貿易港を持つ大連市や商務省での経験から外国の経済人に知己が多く、186センチの長身でハンサムな薄氏は中国の新しいタイプの指導者になると見られていた。
それが重慶に異動してから、左派の権化のようになった。
薄氏は「紅歌を歌おう」キャンペーンを始めた。紅歌とは
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