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イスラエルを制圧するイラン音楽――戦争は避けられる?

高橋和夫

高橋和夫 放送大学教養学部教授(国際政治)

 イスラエルによるイラン攻撃の噂が絶えない。しかし、イランは、とっくに先手を打ってイスラエルを占領している。と書けば、もちろん誇張である。しかし、この誇張には微量ながら真実も含まれている。

 というのは、イランからイスラエルへ移民したユダヤ人のイスラエル社会での活躍が目覚ましいからである。たとえば2000年から2007年にかけてイスラエルの大統領を務めたモシェ・カツァーブは、イラン中部の都市ヤズドの近郊の町アルダカーンで生まれている。幼少の時期に家族とともにイスラエルに移民している。このアルダカーンはイランのハタミ前大統領の出身地でもある。

 イスラエルとイランの二人の前大統領の出身地のアルダカーンは、中東随一の大統領の産地である。また2002年から2005年にかけて国防大臣であったシャウル・モファーズは、テヘラン生まれである。やはり幼少時に家族と共にイスラエルに移民している。

 さらに2005年から2007年にかけてイスラエル軍の制服組のトップである参謀総長であったダン・ハルーツは、イランからの移民の息子である。イランからイスラエルへの移民となったユダヤ人は7万5000名程度とされているが、その子孫も含めると「イラン系」のイスラエル市民は、25万人に達しているのではと推測されている。イスラエルの総人口が770万人であるから、3パーセント程度である。

 しかし、たった3パーセントが大統領と国防大臣と参謀総長を同時に出しているのであるから、その成功ぶりは目を引く。

 しかし、何といってもイスラエルで一番有名な「イラン人」は歌手のリタである。

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筆者

高橋和夫

高橋和夫(たかはし・かずお) 放送大学教養学部教授(国際政治)

北九州市出身、放送大学教養学部教授(中東研究、国際政治)。1974年、大阪外国語大学ペルシャ語科卒。1976年、米コロンビア大学大学院国際関係論修士課程修了。クウェート大学客員研究員などを経て現職。著書に『アラブとイスラエル』(講談社)、『現代の国際政治』(放送大学教育振興会)、『アメリカとパレスチナ問題』(角川書店)など多数。ツイッター https://twitter.com/kazuotakahashi ブログhttp://ameblo.jp/t-kazuo 

※プロフィールは原則として、論座に最後に執筆した当時のものです

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