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野田首相か、小沢一郎氏か、「大義」はどちらに?

恵村順一郎

 「政権交代時の約束の実現にまず全力を尽くすべきだ」「私どもの主張は国民のための正義だ」「私どもの大義の旗は、国民の生活が第一」

 消費増税法案に反対すると表明した、民主党の小沢一郎元代表の主張だ。マニフェストを守るという我にこそ「正義」「大義」はある。マニフェスト違反の消費増税にひた走る、野田佳彦首相らこそ「不義」である――。そう言いたいようだ。

 自民党を脱党し、細川政権を樹立した1993年、小沢氏が掲げた旗印は「政治改革」だった。我こそ「改革派」、敵は「守旧派」、そんなレッテル張りが見事に当たった。では、今回は小沢さんと野田さんのどちらに「大義」はあるのか。

 日本経済新聞の世論調査(6月25日付)では、小沢氏らが消費増税法案に反対し、離党の構えを示していることを「理解できない」という人が53%、「理解できる」というのが38%。否定的な人の方がやや多い。今回の小沢氏の「大義」「不義」のレッテル張りは、ややボール気味と受け止められているのかもしれない。

 さて、小沢氏自身が言っているわけではないが、消費増税のようなマニフェストの根幹を変える政策転換をする場合、解散・総選挙で国民に信を問い直す必要があるという議論が自民党幹部や橋下徹大阪市長らから出ている。

 分かりやすい議論ではある。だが、私はそう一筋縄ではいかない議論だと考える。

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