2012年08月02日
国際政治の理論家として知られるコロンビア大学のウォルツは、『フォーリン・アフェアーズ』誌の7月号で、イランの核兵器保有は、地域に安定をもたらすだろうと論じている。
イランの核兵器保有に反対する議論の前提となっているのは、まずイランを支配するアヤトラ(イスラム教シーア派の最高指導者)たちが狂信的であるとの認識である。であるので、ひとたび核兵器を手に入れれば、すべてを犠牲にしても、それを使用するだろうとの議論が出てくる。
しかし、ウォルツは、イランの指導層も生き残りたいとの希望を抱いていると反論している。アメリカなどからの報復を招き体制の崩壊を招くので、イランの核兵器の先制使用はありそうもない。その証拠としてホルムズ海峡封鎖の問題をウォルツは指摘する。
イランは、何度も同海峡の封鎖に言及してきたが、それは自国の石油輸出を止める自殺行為であるので、イランは決して実行しなかった。イランの指導層は、激しいレトリックにもかかわらず、合理的である。
イランが、核兵器をテロリストに譲渡する可能性
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