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自民党・安倍晋三新総裁は「君子豹変」の勇気を

恵村順一郎

 安倍氏は慰安婦に対する強制性を否定する発言をしたことが、米下院や欧州議会からの日本政府に対する謝罪要求決議につながった。

 河野談話や村山談話は、日本政府としての基本的な歴史認識を表明した文書であり、これまでの日本の外交の基盤をかたちづくってきた文章だ。これを「見直す」などと言い出せば、国際社会から日本政府の歴史認識そのものが疑われかねない。

 首相の靖国参拝をふくめ、「歴史」に真正面から向き合わず、戦前の反省がない。政治指導者の言動が、国際社会からそう見られれば、日本の信用が大きく損なわれるのは明らかだ。

 前回の首相在任中、安倍氏はみずからの持論を封じ、村山談話や河野談話の踏襲を表明し、靖国参拝は控えた。

 首相就任後、ただちに中韓両国を訪問し、中国の胡錦濤国家主席と「戦略的互恵関係」という合意を交わし、小泉首相時代に靖国参拝で冷え込んだ関係を大きく改善した。それは安倍政権の確かな功績だった。

 安倍氏には今回もぜひ、その経験を生かしてもらいたい。

 総裁選後の会見で、安倍氏が中国との関係について「国益がぶつかる場合もお互いを必要としているという認識で、戦略的にコントロールしていくという考え方に今も変わりはない」と語ったことは大いに歓迎したい。

 タカ派色に傾く世論は、ハト派の政治指導者には抑えることは難しい。むしろタカ派

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筆者

恵村順一郎

恵村順一郎(えむら・じゅんいちろう) 

朝日新聞論説委員。1961年、大阪生まれ。84年、京都大学法学部卒、朝日新聞入社。鳥取支局、大阪社会部、東京政治部、「AERA」編集部、名古屋社会部次長、政治部次長、論説委員、前橋総局長をへて、2012年4月から現職。

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